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ハ)実験
今回の実験のプロセスは次のように設定された。

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以上の5つのフェーズ計50分間を1クールとして3クール行われた。それぞれのクールの開始時刻は、下記の通りであった。
第1クール 12:00
第2クール 13:30
第3クール 14:40
※補足(横揺れフェーズ) 15:37−15:44
※第3クール途中でテレメータ発信機の電池消耗により受信感度が低下したため、実験を一端中断し、アンテナ位置の変更などの措置を行った。これにより横揺れフェーズのデータが欠損したため、第3フェーズ終了後、補足として横揺れフェーズを行った。
6)結果と考察
a)行動
全実験フェーズを通じ、大部分の時間、サルは装置内に置かれた檻の中に静かに座っており、ヘルメットの装着にはほぼ完全に慣れていると思われた、
イ)静止フェーズ
サルは檻内を動きまわれたにもかかわらず、座位の姿勢をとり続け、全体として安定した心的状態にあるとみられた。
第1クール・第1静止フェーズでは、サルはやや緊張していたが、そのフェーズにおいても、ときおり閉眼し緊張が解けつつある様子であった。
実験の進行とともに、静止フェーズにおいて閉眼が増え、緊張が一層解けた様子であった。
ロ)揺れフェーズ
サルは生まれて初めて体験した第1クールの横揺れフェーズにおいて、かなり緊張している様子であった。このことは、口を固く閉じる表情や、中腰になる姿勢などから窺われた。しかし、大きな横揺れにもかかわらず、サルは手を檻の側面に当てて姿勢を保持するような行動を示さなかった。このことから、樹上生活者でもあるニホンザルは、揺れに対し、人とは異なる姿勢保持の仕方をすることが分かった。
実験の進行とともに、サルは揺れに対し次第に慣れてきている様子であったが、目をつり上げるよ

 

 

 

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